COLUMN
コラム
あなたの家事、時給換算でどれくらい?「無償労働」の本当の価値とは
2025.12.15
毎日の家事、気づけばあなたばかり担っていませんか?この記事では、“無償”と思われがちな家事の本当の価値を時給換算で見える化し、負担やモヤモヤを軽くするヒントをお届けします。
家事を“労働”として見つめ直す

なぜ家事は「無償労働」と言われるのか
家事は、一般的に給与や金銭的な対価が支払われないことから「無償労働」と呼ばれますが、実際には家庭や社会を支える大切な仕事です。料理・洗濯・掃除・買い物に加え、育児や介護など、多くの時間と手間がかかるタスクを日々こなす必要があります。もしこれらをすべて外部に依頼した場合、家事代行サービスには相応の費用がかかります。つまり家事には、普段意識していなくても確かな“価値”があるということです。それでも日常の中では、その価値が十分に認識されにくいのが現状です。
家事負担に見えるジェンダーギャップ
日本では「家事は女性の仕事」という価値観が深く根付いており、多くの家庭で家事負担の格差が見られます。内閣府の調査によれば、女性が1日に家事へ費やす時間は男性の4倍以上であると報告されています。専業主婦だけでなく共働き家庭においても、家事の大部分を女性が担っている家庭は少なくありません。また、男性が家事に協力することを「手伝い」と表現する風潮も、家事=女性の役割という固定観念を後押ししています。こうした背景が、家事の対価や分担の不公平感につながっています。
伝統的な価値観が影響する理由
「男は外で働き、女は家を守る」という昔ながらの分業意識は、いまもなお家事に対する考え方に影響を与えています。そのため、家事は職業としての労働よりも軽く見られがちで、特に専業主婦(主夫)が行う家事は“当然の役割”として扱われることも少なくありません。こうした価値観が残っていることで、家事の価値が正しく評価されにくくなり、公平な家事分担の妨げにもなっています。
家事を時給換算する方法

家事代行サービスの料金を参考にする
家事の価値を時給で考えるときに、家事代行サービスの料金を基準にする方法があります。家事代行サービスでは、掃除・洗濯・料理などの作業に対して、1時間ごとの料金が明確に設定されています。一般的な相場は、1時間あたり2,000円台から利用できるサービスもあり、一方で、スタッフ教育や管理体制が充実したサービスでは4,000円以上になることも珍しくありません。こうした市場価格を目安にすることで、普段は「無償」とされている家事にも、どれほどの経済的価値があるのかを分かりやすく数値化できます。
また、年収に置き換えるとイメージしやすいですが、内閣府の試算では、家事労働の年間評価額は約193万円、時給換算すると約1,473円とされています。数字を見ると、普段は当たり前のように行っている家事にも、実は大きな価値があることが改めて実感できます。
無償の家事労働は、家庭とパートナー関係にどう影響するのか

家事負担の偏りがもたらす「見えない格差」
家事の負担やその捉え方は、夫婦・パートナー関係に大きく影響します。特に、「家事は女性が担うもの」という価値観が残っている家庭では、家事そのものを労働として認識しにくく、不公平感が生まれやすくなります。共働きであっても、家事の大部分がどちらか一方に偏ると、精神面・体力面で負担が蓄積し、関係性に溝が生まれることも少なくありません。そのため、家事の内容や時間を「対価」として数値化し、2人で共有することは、お互いの理解を深め、家庭内の格差を解消する第一歩になります。
家事の価値を正しく認めるためにできること
1. 家事を「見える化」してみる
家事の価値を適切に評価するためには、まず日々の家事がどれだけの時間と手間を必要としているのかを知ることが重要です。
・どの家事にどれくらい時間を使っているか
・もし外注したらどれくらいの費用になるか
こうした「見える化」を行うことで、家事が無償ではあっても立派な労働であることが実感しやすくなります。特に、家事代行サービスの料金を参考に時給換算してみると、その価値がより具体的に理解できます。
2. 家事代行サービスを活用して“家事の市場価値”を体感する
家事代行サービスを利用することは、家事に対価が発生するという事実を、家庭全体で実感する良い機会になります。
・家事ひとつにかかるコストを知る
・プロの作業を見て家事の専門性を理解する
・家事が「時間を買えるサービス」であると認識できる
家事を軽視しがちなパートナーにとっても、意識を変えるきっかけになりますし、家事負担の軽減にもつながります。
3. パートナー間で価値観を話し合い、分担をアップデートする
家事の価値を認めるには、お互いの考え方をアップデートすることも欠かせません。従来の「家事は女性の役割」という見方ではなく、家事は生活の維持に必要な共同作業だという共通認識を持つことが大切です。
・家事分担の不満や負担感を共有する
・時間・得意不得意に合わせて分担を見直す
・必要に応じて外部サービスを取り入れる
こうしたコミュニケーションを重ねることで、家事の価値が自然と認められ、より良いパートナーシップへとつながります。
まとめ:家事の価値を見直し、よりよい暮らしへ

家事は、毎日の生活を支える欠かせない“労働”でありながら、その価値が見過ごされがちです。しかし、時給換算してみると、家事には大きな経済的価値があり、家庭や社会にとって重要な役割を担っていることがわかります。また、家事負担の偏りは夫婦・パートナー間の不公平感やストレスを生みやすいため、家事の価値を「見える化」し、分担を話し合うことが大切です。家事代行サービスの利用や家事時間の見直しは、家事の市場価値を知るきっかけにもなり、家庭全体の負担軽減にもつながります。家事を無償の“当たり前”と捉えるのではなく、ひとつの大切な労働として評価すること。それが、より快適で公平な暮らしをつくる第一歩です。





